黒滝山を守りながら後世へ。瀬戸内海を望む初日の出

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黒滝山 初日の出
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黒滝山を守りながら後世へ。瀬戸内海を望む初日の出

取材先

黒滝山 初日の出

住所

729-2311 広島県竹原市忠海町

営業時間

1月1日 5:50-7:30頃
※元旦登拝イベントの開催時間

アクセス

JR忠海駅より登山口(さくら堂)まで徒歩約20分、登山口から山頂まで徒歩約30分

提灯の灯りをたどって、山頂を目指す

 1月1日。町が静まり返る暗闇の中、キンと冷えた空気を胸いっぱいに吸い込み、山の麓から見える提灯の灯りを目指して、一歩、また一歩。こうして、忠海の元旦恒例行事は静かに始まります。
 瀬戸内海の美しい景色を望む黒滝山は、「くろたきさん」の名で親しまれる、忠海を象徴する山。毎年1月1日には、初日の出を拝む「元旦登拝」が開催され、山頂では獅子舞の演舞のほか、地元有志によってぜんざいやママレード湯、コーヒー、お菓子などが振る舞われます。登山者はそれらをつまみながら、初日の出を今か今かと待ち侘びるのです。

「黒滝山が好きだから」想いが繋いできた景色

 標高266mほど、忠海駅から約1時間あれば登頂できる黒滝山は、山道に観音堂や33体の石仏が点在し、その登りやすさや見どころの多さから、登山客にも親しまれているスポットです。きれいに整備された登山道や美しく剪定された植物、そして「元旦登拝」行事などを心置きなく楽しめるのは、1987年に発足したボランティア団体「黒滝山を愛する会」の存在があってこそ。2025年には、竹原市で良好な景観づくりに取り組む「景観まちづくり団体」としての認定を受け、長年の愚直な活動が、ひとつのかたちとして実を結びました。

 「黒滝山を町のシンボルとして後世に残していきたい」。黒滝山を愛する会の皆さんは、先代からのそんな思いを引き継ぎ、会員の減少や高齢化といった課題と向き合いながらも「黒滝山が大好きだから」と、意欲的に活動を続けます。元旦登拝では、200リットルの水や樽酒を、山頂まで人の手で運んでいるそうです。そんな人たちの手入れを受けながら、黒滝山はこの日も夜明けを迎えます。

 次第に空が明るくなってきました。登山中に広がっていた夜景はいつしか淡く、漆黒だった空は紫、そして青から橙色に。瀬戸内海を目前に移り行く景色は息を呑む美しさです。日の出とともに行われる万歳三唱で、集まった人々が新しい一年の始まりを祝います。「おめでとう、おめでとう」。拍手とともにあちこちで交わされる、このときばかりの挨拶は、知り合いも他人も関係ありません。

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