取材先
小料理 伏見
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住所
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725-0026 広島県竹原市中央2-4-8
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営業時間
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17:00-22:00 ※要予約
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定休日
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日曜,月曜
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アクセス
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JR竹原駅から徒歩約5分


無濾過生原酒をとことん味える酒処へ
段々と辺りが暗くなり、人々が忙しなく帰路につこうとする頃に、小料理店「伏見」からは、店主の日本酒愛に満ちた活気あふれる声が聞こえてきます。ここでは居酒屋でよく使われる「とりあえず生(ビール)」が通用しません。というのも、揃える酒は全国各地の「無濾過生原酒(むろかなまげんしゅ)」のみ。店主の寺本勲さんが、「旨い酒はこれ一択!」と全国行脚して仕入れた無濾過生原酒を、最大限美味しく味わってもらうために約40年前に始めた店なのです。お酒が詳しくない人もご安心を。寺本さんが丁寧に味わい方を教えてくれます。


トプトプと注がれる日本酒の色は、琥珀色に近いものが多いのもそのはず。「無濾過生原酒」とは、日本酒づくりの工程で必要とされる「濾過」「火入れ」「水分調整」をしない、まるで蔵のタンクからそのまま出してきたような酒のこと。蔵独自の旨みやコク、出来たてのフレッシュさが感じられる一方、品質管理が難しいため扱う蔵元が限られる希少な酒です。寺本さんは、来店者の様子を伺いながら、長年の接客で得た勘を頼りに、その人が好みそうな一杯をすすめてくれます。



-4℃の冷蔵庫で熟成された、極上の一杯を
「日本酒が苦手な人は、美味しい酒に出会えてないから」という考えのもと、印象に残る一杯を自身を持って勧める寺本さん。酒の保管にも繊細な管理が必要とされる「無濾過生原酒」を、ここでは熟成期間による味の変化を楽しめるよう、-4℃に保つ特別な冷蔵庫を使用するほか、日本酒専門の卸業者とタッグを組み、常時20~30種類を揃えられる体制を確立。料理もまた、知覧産地鶏のたたきや峠下牛ローストビーフなど、旨い酒に合う逸品を探し求めて提供します。




2・3杯目と、異なる味わいであえて緩急をつけることで、最後まで飽きずに日本酒を楽しめるよう、丁寧に次の一杯を選んでくれる寺本さん。無濾過生原酒をこよなく愛し、「今度は愛媛の蔵に行く予定!」と、新たな一本との出会いを心待ちにしている様子。
すっかり「無濾過生原酒」の虜になったところで、後ろ髪を引かれつつ伏見を後に。次なる一軒は、趣向を変えてバーへと向かいます。


竹原の夜にひっそりと佇む、大人の隠れ家
バーテンダーの日本一を決める全国大会で、数々の部門を制した実力派バーテンダーが営む一軒が、竹原の市街地にひっそりと佇みます。その名も「バー・ロベルタ」。店名は、店主の堀内信輔さんが挑んだ「PBO カクテルフェスティバル2014」で、優勝した際のカクテル名に由来。
控えめな看板を掲げた木の扉をそっと開くと、そこにはアフリカンチェリーの一枚板で造られたカウンターが目を惹く、クラシカルな空間が広がります。そっと椅子に腰掛けると、ずらりと並んだボトルを背に、堀内さんが丁寧に酒の好みを尋ねてくれます。





日本一のバーテンダーがつくる特別な一杯
「高校入学祝いに買った、カクテルブックがきっかけ」と話す堀内さんは、「お酒を知らない人にも、その魅力を伝えられるバーテンダーでありたい」と、日々新しいカクテルのアイディアを考え、カウンター内での所作や技術に磨きをかけ、2019年にはバーテンダーの総合力が問われる「PBO 全国バーテンダーズ コンペティション」でも優勝。総合力でも日本一の称号を手に入れました。



アルコールがさほど得意でないという人には、竹原産ハチミツと広島レモンで爽やかに仕上げたカクテルを。その人の気分や、欲している味わいなどを丁寧に聞き取りながら、まるで客とのセッションを楽しむように、多彩な味わいを生み出す堀内さん。「お酒が飲めない人でも来られるように」と、ロベルタにはノンアルコールカクテルも揃え、誰もが楽しめるように心を配ります。



運命を変えた一冊のカクテルブック
「高校入学祝いに買った、カクテルブックがきっかけ」と話す堀内さんは、「お酒を知らない人にも、その魅力を伝えられるバーテンダーでありたい」と、日々新しいカクテルのアイディアを考え、カウンター内での所作や技術に磨きをかけ、2019年にはバーテンダーの総合力が問われる「PBO 全国バーテンダーズ コンペティション」でも優勝。総合力でも日本一の称号を手に入れました。

旅の夜に、心ほどける一杯で乾杯
竹原で特別な一杯を味わえば、心がほどけるような穏やかな時間が流れます。 静かに更けていく夜、心を尽くしたもてなしと丁寧に作られたお酒の心地よさに包まれると、肩の力が抜ける瞬間が訪れるはず。 忙しない日々の中、つい後回しにしがちな“自分を労る時間”。旅先だからこそ味わえる、そんな贅沢なひとときを、竹原の夜にひっそりと佇む隠れた名店で過ごしてみてはいかがでしょうか。
