取材先
神田精果園
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住所
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725-0021 竹原市竹原町2304-1(ぶどう直売所)
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営業時間
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〈ぶどうの直売〉8月中旬頃〜10月末頃
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定休日
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※Instagramを要確認
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アクセス
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JR竹原駅から徒歩約18分
素天辺ViNES
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住所
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725-0021 竹原市竹原町4丁目付近
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営業時間
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※ウェブサイトを要確認
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定休日
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※ウェブサイトを要確認
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アクセス
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JR竹原駅から徒歩約25分
Introduction
温暖な気候と海風に恵まれた竹原では、明治初期からぶどう栽培が行われ、今も町を代表する特産品として有名です。今回は、そんな竹原でぶどう作りに挑む「神田精果園」と「素天辺ViNES」二軒の農園を訪ねました。




竹原でぶどう栽培が広がった背景には、この土地ならではの条件がありました。海だった場所を干拓して生まれた畑は水はけがよく、瀬戸内の温暖な気候はぶどう栽培に適していたといいます。明治期には大阪から苗木が持ち込まれ、ぶどうづくりは町の産業として発展。昭和初期には竹原だけで約100ヘクタールもの畑が広がり、納税者番付にぶどう農家の名が並ぶほどだったとも伝えられています。そんな竹原のぶどうの歴史を、代々受け継いできた農園、それが神田精果園です。
“竹原ぶどう”を、未来へつなぐ −神田精果園
竹原で約150年続くぶどう栽培。その歴史を受け継いできた農園の一つが「神田精果園」です。竹原ぶどうの祖として知られる神田家の系譜を引き、賀茂川下流の水はけのよい砂地の畑で、多品種のぶどうを育てています。
現在は7代目の神田将一さんが父・一秀さんとともに農園を守り、ナガノパープルやシャインマスカット、クイーンニーナを主力に、約70種類を栽培。収穫期も味わいも異なる多彩な品種を育てることで、竹原の気候と土壌の魅力を表現しています。

将一さんが農園を継いだきっかけは、父・一秀さんが両肩を痛め、畑のぶどうが弱り始めたことでした。手入れができなくなった畑では、木が次々と枯れていきます。将一さんにとって、幼い頃から遊び場だったぶどう畑の風景が失われていくことが、何よりもつらかったといいます。
剪定をしていると、枯れた枝の中にまだ生きている枝を見つけることがありました。「この子たちを生かしてあげたい」。その思いが、将一さんがぶどう農家として歩み始めた原点です。


農園を継いだ約10年前、経営は決して順調ではありませんでした。竹原ぶどうの評判も落ち込み、価格は今の半分ほどだったといいます。将一さんはなけなしのお金で各地の名だたる生産者を訪ね、ぶどうづくりを学びました。その一方で、全国一と評されるぶどうを口にした際に、自分たちの農園の可能性にも気づき、改めて伝え直すことに注力。持ち前の行動力と人懐っこい人柄で、多くの人に支えられてきた将一さん。新たな品種や販路の開拓など、挑戦は今も続いています。





体に染み入る“いい”ぶどうを目指す −素天辺ViNES
竹原で無農薬・無肥料のぶどう栽培に挑むのが「素天辺ViNES(ステッペンヴァインズ)」です。農主の市川紀子さんは、もともと大阪の裁判所に勤めながら、縁あって竹原のぶどう園を手伝うようになり、週末ごとに竹原へ通い、畑に立っていた行動派です。現在は竹原に移住し、2026年で6回目の収穫期を迎えます。
ぶどうは農薬が欠かせない果物と言われますが、「環境への負荷を減らし、ぶどう本来の力を引き出したい」と、農薬や肥料に頼らない栽培を続けます。




無農薬・無肥料のぶどうづくりは簡単ではありません。病気が出た年には収穫がほとんどできなかったこともありました。そんな中、日本酒の麹の種菌培養にヒントを得て、菌のバランスを整えることで病気に対応。微生物と共に土を育て、自然循環の中でぶどうを育てることを大切にしています。さらに、近年はホルモン剤に頼らない栽培にも挑戦。「土の個性をそのまま吸い上げて育つから、甘いだけじゃない。種があることで生まれる自然な酸味や渋みが甘さと重なり合って、食べるたびに『なんだろう、この味?』と思わせる、奥深い味になる」と話します。



「本当にいいものは、体に染み入るような味がする」と市川さん。アレルギーを持つ子どもや、病気のおばあちゃんが「ここのぶどうなら食べられる」と言ってくれることも励みになるのだとか。木の剪定をしていると、木と会話しているように感じることもあるそうです。「素天辺ViNES」という屋号には、植物が本来持つ力で熟した果実を育てたいという思いが込められていると、教えてくれました。

竹原ぶどうを育み、伝える人びと
同じ竹原の土地でぶどうを育てながら、「神田精果園」と「素天辺ViNES」の歩み方は大きく異なります。代々続く農園として竹原ぶどうの歴史や魅力を伝え続ける人。自然との調和を大切にしながら新しい方法を探る人。そのどちらもが、竹原という土地でぶどうを育てる一つのかたちです。
畑ごとに味わいが違うように、そこに込められた思いもまたさまざま。海風と温暖な気候に恵まれたこの町で、竹原のぶどうの魅力は、多様な物語の中に育まれているようです。
