初夏の光と爽やかな風に背中を押され、ふらりと始まる町歩き

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たけはら町並み保存地区
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初夏の光と爽やかな風に背中を押され、ふらりと始まる町歩き

取材先

たけはら町並み保存地区

住所

725-0022 広島県竹原市本町3丁目ほか

アクセス

JR竹原駅から徒歩15分

Introduction
「ちょっと歩いてみようか!」そんなひとことから始まった、午後の町歩き。若い緑が美しく、爽やかな風が心地よい季節。コントラストの効いた初夏の光は、いつもの町並みを一層鮮やかに感じさせてくれます。

気の向くままが、今の気分にちょうどいい

 たけはら町並み保存地区でランチを済ませたあと、「少し歩こう」と通りへ出ました。初夏のやわらかな日差しのなか、白壁の町並みをのんびり進みます。ゆるやかに流れる時間に身をゆだねながら、ふたりの小さなまち歩きがはじまりました。
 すると、ほんの腹ごなしのつもりが、気になる路地や店先に足を止めているうちに、気づけば時間はあっという間に過ぎていました。

  通りの一角で、普段は閉まっていることの多い雑貨店の扉が開いているのを見つけ、思わず足を止めます。探しているときには出会えないのに、ふらりと立ち寄った日に限って、心にしっくりくるものが見つかる不思議。そんな時は、いつもとは少し違う目線で町を歩けている気がします。

 歩みを進めると、淡い水色が印象的な竹原市歴史民俗資料館が目に入ります。昭和の初期、図書館として建てられた洋館です。その佇まいは、この町並みでは少し珍しく、思わず足を止めて見上げてしまう存在感。やわらかな初夏の光に包まれて、まるで物語の中に入り込んだような気分。

 さらに進むと、くるくると風に揺れる風車が並ぶ竹工房の前へ。カラフルな色合いが、静かな通りに軽やかなリズムを添えています。体験も気になるところですが、今日は眺めるだけにして、また来たときの楽しみに取っておくことにしました。

 こうして歩いていると、この通りには思っていた以上に見どころが多いことに気づきます。人の暮らしの気配と、寺社やお店がほどよく混ざり合い、観光地でありながら肩の力が抜けているような心地よさ。自分のペースで楽しめる理由が、なんとなくわかる気がしました。

  町並みの中央にある普明閣に上がり、しばらく景色を眺めます。靴を脱いで腰を下ろすと、ふわりと気持ちまでほどけていくよう。取り留めのない会話や思い出話に花を咲かせながら、「また来ようね」と自然に言葉がこぼれました。時々で違った景色を味わえることこそが、この町の魅力なのかもしれません。

 「この場所をなくしたくないと思ったんです」。そう語る時生さんにとって、今回の挑戦は初めての飲食業。原価計算やメニューづくり、接客など、日々試行錯誤を重ねています。それでも、訪れる人とのやりとりや、町の魅力を伝える時間に手応えを感じているようです。「建物の歴史に興味を持ってくださる方も多いので、この場所ならではの時間を届けられたら」。受け継がれてきた空間の中で、新たな営みが静かに始まっています。

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